Nikon

RAW動画の編集を行う前に

ここでは、Log撮影したRAW動画を対象に、編集を行う前に必要な準備について説明します。

  1. 動画編集に使用するアプリケーションを決める

    RAW動画の編集には、対応する他社製の動画編集用アプリケーションが必要です。次の中から使用するアプリケーションを決めてください。

    • DaVinci Resolve
    • Premiere Pro
    • EDIUS X Pro
  2. 編集する動画を決める

    ニコンのカメラでLog撮影できるRAW動画は次の2種類です。

  3. ノーマライズの方法を決める

    Log撮影したRAW動画は、編集工程でノーマライズを行う必要があります。ここでは、ノーマライズの方法として、LUT(0LUTとは)を使用する方法と、カラースペース変換機能を使用する方法の2つをご紹介します。

    • LUTを使用する場合は、事前に動画の種類に合わせたLUTを準備する必要があります。N-Log動画の場合は「N-Log用LUTとは」(0N-Log用LUTとは)を、Log3G10動画の場合は「Log3G10用LUTとは」(0Log3G10用LUTとは)をご覧ください。

    ノーマライズとは

    ノーマライズとは、撮影された素材の色空間を規格に合った基準色空間(例:Rec.709)に変換することです。

  4. 動画の編集を行う

    手順1~手順3で決めた内容に合わせて動画の編集を行います。次の中から当てはまる項目をご覧ください。

    項目
    DaVinci Resolveを使用して編集する
      N-Log動画を
    編集する
    N-Log用LUTを使用する方法(0N-Log用LUTを使用する方法
    カラースペース変換機能を使用する方法(0カラースペース変換機能を使用する方法
    Log3G10動画を
    編集する
    Log3G10用LUTを使用する方法(0Log3G10用LUTを使用する方法
    カラースペース変換機能を使用する方法(0カラースペース変換機能を使用する方法
    Premiere Proを使用して編集する
      N-Log動画を
    編集する
    N-Log用LUTを使用する方法(0N-Log用LUTを使用する方法
    EDIUS X Proを使用して編集する
      N-Log動画を
    編集する
    N-Log用LUTを使用する方法(0N-Log用LUTを使用する方法
    カラースペース変換機能を使用する方法(0カラースペース変換機能を使用する方法

LUTとは

LUTとは「Look Up Table」のことです。入力した動画の色データを出力する場合に、どのような値に変換するかがあらかじめ設定された一覧表がプリセットデータとして用意されています。色データを調整する場合にこの表を参照し、表の設定値に従ってR、G、Bの各色を変換していきます。

  • R、G、Bの3つの入力値の組み合わせに対して、R、G、Bの3つの出力値の組み合わせで参照するLUTを「3D LUT」と呼びます。3D LUTを使用することで、画像の色味や彩度も合わせて調整することが可能です。

LUTの種類について

LUTには大きく分けて2つの種類があります。

項目 内容
テクニカルLUT

ノーマライズ用のLUTです。

クリエイティブLUT 映像に特定のルックや雰囲気を与えるためのLUTです。フィルム調やシネマティックな⾊味、トーンの演出など、映像の印象を演出する仕上げの⼯程で使⽤されます。
  • それぞれのLUTは⽬的が異なるため、適切な順序での適⽤をおすすめします。⼀般的には、まずテクニカルLUTを⽤いて素材を基準の状態に整え、その後クリエイティブLUTを適⽤して意図する表現を加えます。この順序により、各LUTの効果を最⼤限に活かした安定したカラー処理が可能となります。ただし、一部のクリエイティブLUTにはすでにテクニカル変換が含まれていることがあります。この場合は、重複して色が崩れないように、LUTの仕様を確認して使い分ける必要があります。

N-Log用LUTとは

N-Log用LUTはカラーグレーディング時にN-Logに適用するためにニコンが開発した3D LUTです。N-Logガンマを使用して撮影された素材は広い階調を保って記録されますが、そのまま再生するとコントラストが低いように見えてしまいます。カラーグレーディング時に3D LUTを使用することで、Rec.709の表示に対応したモニターで適正値で見ることができる映像に仕上がります。

N-Log用LUT適用前

N-Log用LUT適用後

「N-Log_BT2020_to_REC709_BT1886_size_33.cube」を使用

  • N-Log用LUT(テクニカルLUTおよびRED社監修のクリエイティブLUT)は、ニコンダウンロードセンターで公開されています。あらかじめ下記のURLからダウンロードしてください。

    https://downloadcenter.nikonimglib.com/ja/download/sw/258.html

    • クリエイティブLUTを使用した作例

      「RED_Achromic_Rec2020_
      N-Log_to_Rec709_BT1886.cube」を使用

      「RED_FilmBiasOffset_Rec2020_
      N-Log_to_Rec709_BT1886.cube」を使用

Log3G10用LUTとは

Log3G10用LUTは、カメラ内でのモニタリングやノーマライズ・カラーグレーディングを目的に、Log3G10に適用するためにRED社が開発した3D LUTです。

Log3G10用LUT適用前

Log3G10用LUT適用後

「RWG_Log3G10 to REC709_BT1886 with MEDIUM_CONTRAST and R_2_Medium size 33 v1.13.cube」を使用