Nikon

ピクセルシフトとは

ピクセルシフトとは、カメラのイメージセンサーを1画素単位または1画素よりも小さい単位でシフトさせながら複数枚の画像を撮影し、それらの画像を合成することによって通常の撮影(1コマ撮影)よりも高精細な画像を得られる機能です。

ピクセルシフトの仕組みについて

一般的なカメラやニコンのカメラに搭載されているイメージセンサー(ベイヤーセンサー)は、原理上1画素につきR、G、Bのいずれかの色情報しか取得できません。RGBで表示する場合、周りの画素から残りの色を補間する必要があります。次の図の例では、R:1、G:2、B:1の比率で色情報を取得し、RGBの各チャンネルは補間処理によって残りの画素の色情報を取得しています。

ピクセルシフト撮影では、イメージセンサーを物理的に1画素単位でシフトさせて複数枚の画像を撮影することで、たとえばRを取得した画素の位置にGやBを取得することが可能です。補間をせずにRGBを揃えることができるため、補間処理に起因して発生していたモアレや偽色を低減でき、細部の色再現性が向上します。

また、イメージセンサーを1画素よりも小さい単位でシフトさせることも可能です。より細かく情報を取得できるため、1画素単位でシフトさせて撮影するよりもさらに高精細な画像を合成できます。ニコンのカメラでは、イメージセンサーを0.5画素単位でシフトさせます。

ピクセルシフト撮影機能で撮影した複数枚の画像は、ニコンのソフトウェアNX Studioを使用して高精細な1枚の画像として合成します。複数枚の画像を合成することでノイズが平均化されるため、ノイズの低減も可能です。

 本書記載の画像やイラストについて

本書に記載されている画像およびイラストは、機能を説明するためのイメージです。