Nikon

ピクセルシフトの注意点

ピクセルシフトは、同一の被写体をカメラ内部での条件を少しずつ変えて複数枚撮影し、合成する技術です。このため、ピクセルシフト撮影を開始してから完了するまでに被写体に変化があると、うまく合成することができません。ピクセルシフト撮影は、完全に静止している被写体を、カメラを三脚などで固定して撮影する場合のみ行うことをおすすめします。

ピクセルシフト合成に向かない状況について

撮影時に次のようなことが起きると、望ましい合成結果が得られない場合があります。

  • 被写体が動いた場合:生物などの動く被写体はピクセルシフト合成に向きません。

    • 建築物などの完全に静止した被写体でも、画角内に動くものがあった場合はその部分の合成がうまくいかないことがあります。
    • 風景撮影の際、陽炎や蜃気楼などの大気の揺らぎによって被写体が動いて見える場合は、望ましい合成結果が得られないことがあります。
  • カメラが動いた場合:カメラは必ず三脚などに固定してください。三脚に固定している場合でも、風に吹かれたり人や車などの往来による振動が三脚に伝わることで、カメラが揺れることがあります。

  • 被写体の明るさが変わった場合:天候の変化、日の出や日の入り、照明のフリッカー現象などで被写体の明るさが変わると、合成に影響が現れます。

撮影時間について

撮影時に光や大気、地面などの外的要因の影響をコントロールすることは困難です。撮影時間が長くなるほど外的要因の影響を受けやすくするため、撮影時は可能な限り短時間で撮影完了できる設定にすることをおすすめします。

ISO感度を上げて撮影時間を短くする

ISO感度を低くしていても、撮影時間によっては外的要因の影響で解像感の高い画像が得られないことがあります。その場合は、ISO感度を上げて撮影時間を短くすることをおすすめします。たとえば32コマでは、ISO 64/シャッタースピード30秒で撮影するよりも、ISO 500/シャッタースピード4秒で撮影したほうが良い結果が得られます。