撮影モード/露出補正
- 撮影モードを設定する
- b(オート)
- P(プログラムオート)
- S(シャッター優先オート)
- A(絞り優先オート)
- M(マニュアル)
- U1、U2、U3(ユーザーセッティングモード)
- h(シーンモード)
- 長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ)
- 露出を固定して撮影する(AEロック)
- 露出補正して画像の明るさを調整する
撮影モードを設定する
撮影モードダイヤルを回すと、撮影モードを設定できます。撮影モードは、撮影画面に表示されます。
モード | 内容 | |
---|---|---|
AUTO(b) | オート(静止画を撮影する(bオート)、動画を撮影する(bオート)) | カメラまかせの簡単な操作で撮影を楽しむことができます。シャッタースピードや絞り値に加えて、ホワイトバランスなどもカメラが自動制御します。 |
P | プログラムオート(P(プログラムオート)) | シャッターチャンスを逃したくないスナップ撮影などに使います。シャッタースピードと絞り値の両方をカメラが自動制御します。 |
S | シャッター優先オート(S(シャッター優先オート)) | 被写体の動きを強調して撮影したいときなどに使います。シャッタースピードを自分で設定し、絞り値はカメラが自動制御します。 |
A | 絞り優先オート(A(絞り優先オート)) | 背景のぼかし方を調節して撮影したいときなどに使います。絞り値を自分で設定し、シャッタースピードはカメラが自動制御します。 |
M | マニュアル(M(マニュアル)) | シャッタースピードと絞り値の両方を自分で設定します。長時間露出(バルブ、タイム)撮影も、このモードで行います。 |
U1 U2 U3 | ユーザーセッティングモード(U1、U2、U3(ユーザーセッティングモード)) | よく使う機能(ユーザーセッティング)を登録できます。撮影モードダイヤルを切り換えるだけで、登録した内容で撮影できます。 |
SCN(h) | シーンモード(h(シーンモード)) | 撮影するシーンが決まっているときは、シーンに合わせて撮影モードを選ぶだけで、美しく撮影できます。 |
b(オート)
シャッタースピードや絞り値に加えて、ホワイトバランスなどもカメラが自動制御します。メニューで設定できる機能のうち、カメラが自動で制御する機能はグレーで表示されて選べません。グレーで表示されたメニュー機能の設定を変更したい場合は、撮影モードをP、S、A、Mのいずれかに変更してください。
P(プログラムオート)
被写体の明るさに応じて露出が適正になるように、カメラがシャッタースピードと絞り値を自動的に決定します。
- b(オート)で自動制御されるホワイトバランスなどを自分で設定することができます。
プログラムシフトについて
撮影モードPのときにメインコマンドダイヤルを回すと、適正露出のまま、シャッタースピードと絞り値の組み合わせを変えられる「プログラムシフト」が行えます。
- プログラムシフト中は、プログラムシフトマーク(U)が表示されます。
- プログラムシフトを解除するには、プログラムシフトマークが消えるまでメインコマンドダイヤルを回してください。電源をOFFにしたときや、他の撮影モードに切り換えたときも、プログラムシフトは解除されます。
S(シャッター優先オート)
シャッタースピードを自分で決めると、露出が適正になるようにカメラが自動的に絞り値を決定します。動きの速い被写体の撮影や、遅いシャッタースピードで被写体の動きを強調する撮影に適しています。
- シャッタースピードはメインコマンドダイヤルを回して設定します。
- シャッタースピードは1/4000~30秒に設定できます。
- カスタムメニューd6[シャッター方式]を[電子先幕シャッター]に設定した場合、シャッタースピードを1/2000秒より高速に設定していても、1/2000秒に制限されます。
- 設定したシャッタースピードはロックできます(f5:操作のロック、g3:操作のロック)。
A(絞り優先オート)
絞り値を自分で決めると、露出が適正になるようにカメラが自動的にシャッタースピードを決定します。背景をぼかしてメインとなる被写体を浮き立たせたい場合や、近くから遠くまでピントの合った写真を撮影したい場合に適しています。
M(マニュアル)
シャッタースピードと絞り値の両方を自分で決定します。花火や星空などを長時間露出(バルブ撮影、タイム撮影、長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ))で撮影する場合にも使用します。
- 露出インジケーターを確認しながら、コマンドダイヤルを回してシャッタースピードと絞り値を設定します。
- メインコマンドダイヤルを回すと、シャッタースピード表示が変化します。シャッタースピードは1/4000~30秒、Bulb(バルブ)、Time(タイム)に設定できます。
- カスタムメニューd6[シャッター方式]を[電子先幕シャッター]に設定した場合、シャッタースピードを1/2000秒より高速に設定していても、1/2000秒に制限されます。
- サブコマンドダイヤルを回すと絞り値が変化します。
- 設定できる最小絞り値、開放絞り値はレンズの種類によって異なります。
- 設定したシャッタースピードと絞り値はロックできます(f5:操作のロック、g3:操作のロック)。
露出インジケーターについて
自分で設定した露出値と、カメラが測光した露出値との差が、画像モニターとファインダーに表示されます。この「露出インジケーター」の見方は次の通りです(表示内容はカスタムメニューb2[露出設定ステップ幅]の設定によって変化します)。
表示部 | [露出設定ステップ幅]が[設定1/3段(補正1/3段)]のとき | ||
---|---|---|---|
適正露出の場合 | 1/3段アンダーの場合 | 3 1/3段以上オーバーの場合 | |
画像モニター | |||
ファインダー |
インジケーターの+と-の左右方向は、カスタムメニューf8[インジケーターの+/-方向]で変更できます。
露出の制御ができないときの警告について
光量がカメラの測光範囲を超えて露出の制御ができない場合は、露出インジケーターが点滅して警告します。
シャッタースピードの延長について
カスタムメニューd7[Mモード時のシャッタースピード延長]を[ON]に設定すると、撮影モードM時にシャッタースピードを最長900秒(15分)まで設定できます。
長秒時のシャッタースピードについて
シャッタースピードを1秒より低速に設定した場合、カメラに表示される露光時間と実際の露光時間が異なる場合があります。たとえばシャッタースピードを15秒に設定した場合は実際には16秒、30秒に設定した場合は実際には32秒でシャッターがきれます。60秒または60秒よりも遅く設定した場合は、設定したシャッタースピードの表示と同じ秒時でシャッターがきれます。
撮影モードM時の感度自動制御機能について
感度自動制御機能(感度自動制御機能を使う)を使用すると、設定したシャッタースピードと絞り値で適正露出になるようにISO感度が自動的に制御されます。
U1、U2、U3(ユーザーセッティングモード)
よく使う機能(ユーザーセッティング)を、あらかじめ撮影モードダイヤルU1~U3に登録すると、撮影モードダイヤルを切り換えるだけで、登録したユーザーセッティングの内容で撮影できます。
ユーザーセッティングの登録
- 登録したい撮影機能を設定する
次の撮影機能を登録できます。- 静止画撮影メニュー項目
- 動画撮影メニュー項目
- カスタムメニュー項目
- 撮影モード、シャッタースピード(撮影モードS、M)、絞り値(撮影モードA、M)、プログラムシフト(撮影モードP)、露出補正など
- セットアップメニュー[ユーザーセッティングの登録]を選ぶ
セットアップメニュー[ユーザーセッティングの登録]を選んでマルチセレクターの2を押します。 - 設定を登録したいユーザーセッティングモードを選ぶ
[U1に登録]、[U2に登録]または[U3に登録]のいずれかを選んで、2を押します。 - ユーザーセッティングを登録する
13で[はい]を選んでJボタンを押すと、選んだユーザーセッティングモードに現在の設定内容が登録されます。 - 登録したユーザーセッティングで撮影する
撮影モードダイヤルをU1~U3に合わせると、登録したユーザーセッティングの内容で撮影できます。
U1、U2、U3に登録できない項目
次のメニュー項目はU1、U2、U3に登録できません。
- 静止画撮影メニュー
- [記録フォルダー設定]
- [カスタムピクチャーコントロール]
- [多重露出]
- [インターバルタイマー撮影]
- [タイムラプス動画]
- [フォーカスシフト撮影]
- 動画撮影メニュー
- [記録フォルダー設定]
- [カスタムピクチャーコントロール]
登録したユーザーセッティングのリセット
- セットアップメニュー[ユーザーセッティングのリセット]を選ぶ
セットアップメニュー[ユーザーセッティングのリセット]を選んでマルチセレクターの2を押します。 - リセットしたいユーザーセッティングモードを選ぶ
[U1をリセット]、[U2をリセット]または[U3をリセット]のいずれかを選んで、2を押します。 - ユーザーセッティングをリセットする
[はい]を選んでJボタンを押すと、選んだユーザーセッティングモードに登録された設定内容が、初期設定(撮影モードP)に戻ります。
h(シーンモード)
撮影するシーンが決まっているときは、シーンに合わせて撮影モードを選ぶだけで、美しく撮影できます。
シーンモードの設定方法
撮影モードダイヤルをhに合わせた後、メインコマンドダイヤルを回して設定を変更します。
- 次のシーンモードから設定できます。
k ポートレート |
l 風景 |
p こどもスナップ |
m スポーツ |
n クローズアップ |
o 夜景ポートレート |
r 夜景 |
s パーティー |
t 海・雪 |
d 夕焼け |
e トワイライト |
f ペット |
g キャンドルライト |
j 桜 |
z 紅葉 |
0 料理 |
各シーンモードの特徴
k(ポートレート)
人物を美しく撮影したいときに使います。人物の肌をなめらかで自然な感じに仕上げます。
- 被写体と背景が離れているときは、背景がぼけて立体感のある画像になります。
l(風景)
自然の風景や街並みを、色鮮やかに撮影したいときに使います。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
p(こどもスナップ)
子供の撮影に向いています。肌の色を美しく表現すると同時に、服装や背景も鮮やかに仕上げます。
m(スポーツ)
運動会などスポーツ写真の撮影に向いています。動きのある被写体の一瞬の動きを鮮明にとらえ、躍動感のある画像に仕上げます。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
n(クローズアップ)
草花や昆虫などの小さな被写体に近づき、大きく写したいときに使います。
o(夜景ポートレート)
夕景や夜景をバックに、人物を撮影したいときに使います。人物と背景の両方を美しく表現します。
r(夜景)
夜景の撮影に適しています。ノイズや不自然な発色を抑え、外灯やネオンなどの光を鮮やかにして夜景の雰囲気を表現します。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
s(パーティー)
パーティーなどでの撮影に適しています。パーティー会場の光の雰囲気も表現します。
t(海・雪)
晴天の海や湖、砂浜、雪景色などの撮影に適しています。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
d(夕焼け)
夕焼けや朝焼けの撮影に適しています。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
e(トワイライト)
夜明け前や日没後の風景の撮影に適しています。わずかな自然光での風景をきれいに表現します。
ご注意
- 内蔵フラッシュは発光しません。
- AF補助光は照射されません。
f(ペット)
動き回るペットなどの撮影に適しています。
ご注意
AF補助光は照射されません。
g(キャンドルライト)
キャンドルライトでの撮影に適しています。
ご注意
内蔵フラッシュは発光しません。
j(桜)
桜、花畑などの花がたくさん咲いている風景の撮影に適しています。
ご注意
内蔵フラッシュは発光しません。
z(紅葉)
紅葉の撮影に適しています。紅葉の赤色や黄色を鮮やかに表現します。
ご注意
内蔵フラッシュは発光しません。
0(料理)
料理の撮影に適しています。料理を鮮やかに表現します。
ご注意
内蔵フラッシュを上げている場合は、必ず発光します。
三脚の使用について
暗いときや手ブレが気になるときは、三脚の使用をおすすめします。
シーンモードについて
ピクチャーコントロール、ホワイトバランス、階調モード、カスタムメニューなど、撮影モードによって設定を変更できない機能があります。
長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ)
長時間露出撮影には、バルブ撮影とタイム撮影の2種類があります。花火や夜景、星空の撮影や、自動車のライトの流れを表現したいときなどに使います。
撮影方法 | 内容 |
---|---|
バルブ撮影 | シャッターボタンを押し続けている間シャッターが開いたままになり、シャッターボタンを放すとシャッターが閉じます。 |
タイム撮影 | シャッターボタンを全押しするとシャッターが開いたままになり、もう一度押すとシャッターが閉じます。 |
- 三脚などを使ってカメラを固定する
- 撮影モードダイヤルをMに合わせる
- メインコマンドダイヤルを回して、シャッタースピードをBulb(バルブ)またはTime(タイム)にするシャッタースピードをBulbまたはTimeに設定すると、露出インジケーターは表示されません。
- ピントを合わせて、長時間露出撮影を開始する
- バルブ撮影:シャッターボタンを全押しして、長時間露出撮影を開始します。シャッターボタンは押し続けてください。
- タイム撮影:シャッターボタンを全押しすると、シャッターが開き、長時間露出撮影を開始します。
- 長時間露出撮影を終了する
- バルブ撮影:シャッターボタンを放すと、長時間露出撮影は終了します。
- タイム撮影:もう一度シャッターボタンを全押しします。
長時間露出について
- 露光時間が長くなると、画像にノイズ(ざらつき、むら、輝点)が発生することがあります。
- 静止画撮影メニュー[長秒時ノイズ低減]を[ON]に設定すると、画像に発生するむらや輝点が低減されます。
- 撮影中のバッテリー切れを防ぐため、次のいずれかをお使いください。
- 充分に充電したバッテリー
- 別売のACアダプターEH-8Pと付属のUSBケーブルUC-E25(両端がType-C)
- 外部充電池(モバイルバッテリー)
- 手ブレを抑えるために三脚や別売のリモートコードなどの使用をおすすめします。
- 別売のリモコンML-L7をお使いの場合、シャッタースピードをBulbに設定していてもタイム撮影になります。
露出を固定して撮影する(AEロック)
AEロックは、カメラが自動で明るさを調整する設定の場合でも、露出を固定できる機能です。
- AE ロックを行うにはA(g)ボタンを押します。
- A(g)ボタンを押している間は露出が固定(ロック)され、構図や被写体の明るさが変わっても露出は変わりません。
- 撮影画面にAE‑Lマークが点灯します。
- オートフォーカス撮影時は、シャッターボタンを半押ししてピント合わせをしてからA(g)ボタンを押してください。AE ロックとフォーカスロックが同時に行われます。
- A(g)ボタンを押したまま、構図を決めて撮影してください。
シャッターボタンの半押しで露出を固定するには
カスタムメニューc1[シャッターボタンAEロック]を[する(半押し)]に設定すると、シャッターボタンの半押しで露出を固定できます。
測光エリアについて
- [スポット測光]に設定した場合、選択中のフォーカスポイントの露出が記憶されます。
- [中央部重点測光]に設定した場合は、撮影画面中央部(Φ8mmの円内)を重点的に測光した露出が記憶されます。
AEロック中のカメラ操作について
A(g)ボタンを押している間も以下の操作ができます。
撮影モード | 操作 |
---|---|
P | プログラムシフト(P(プログラムオート)) |
S | シャッタースピードの変更 |
A | 絞り値の変更 |
- 撮影画面には、変更後のシャッタースピード、絞り値が表示されます。
露出補正して画像の明るさを調整する
露出補正とは、カメラが制御する適正露出値を意図的に変更することです。画像全体を明るくしたり、暗くしたいときなどに使います。
露出補正の設定方法
Eボタンを押しながらコマンドダイヤルを回します。
- 露出補正は、±5段の範囲で設定できます。動画の場合は±3段の範囲で設定できます。
- 補正ステップは、初期設定では1/3段ステップです。ステップ幅は、カスタムメニューb2[露出設定ステップ幅]で変更できます。
- 被写体を明るくしたいときは+側に、暗くしたいときは-側に補正してください。
- 静止画撮影時にはEアイコンとインジケーターが、動画撮影時にはEアイコンが撮影画面に表示されます。Eボタンを押すと補正量を数字で確認できます。
- 露出補正を解除するには、補正量を0.0にしてください。カメラの電源をOFFにしても、補正量の設定は解除されません。
- 撮影モードbまたはSCNで露出補正を行った場合、撮影モードを切り換えるか、カメラの電源をOFFにすると露出補正値の設定は解除されます。
撮影モードMでの露出補正について
- 撮影モードがMのときは、露出のインジケーター表示が変わるだけで、設定したシャッタースピード、絞り値、およびISO感度は変わりません。画像全体の明るさも変わりません。
- Eボタンを押すと補正量を数字とインジケーターで確認できます。
- 感度自動制御機能(感度自動制御機能を使う)を使用している場合、補正量に応じてISO感度が自動的に制御され、画像全体の明るさが変わります。
フラッシュ使用時の露出補正
内蔵フラッシュや別売スピードライト使用時に露出補正を行った場合は、背景露出とフラッシュ(スピードライト)の発光量の両方に補正が行われ、画像全体の明るさが変わります。背景の明るさだけを補正することもできます(カスタムメニューe3[フラッシュ使用時の露出補正])。