静止画撮影メニューの[多重露出]を使うと、2~10コマのRAWデータを重ねて写し込み、1つの画像として記録できます。

多重露出の設定項目

項目

内容

多重露出モード

  • する(連続)]:解除するまで連続して多重露出撮影します。多重露出撮影を解除するには、もう一度[多重露出モード]を選んで[しない]に設定してください。

  • する(1回)]:多重露出撮影を終了すると、多重露出が解除されます。

  • しない]:多重露出撮影を解除します。

コマ数

コマ数(露光回数)を設定します。

合成モード

  • 加算]:全ての露光結果をそのまま重ね合わせます。

  • 加算平均]:重ね合わせた画像の露出が適正になるように、露光回数に合わせて自動的にゲイン(出力)を補正します。

    • 各コマのゲインは、「1÷露光回数」となります。たとえば、露光回数が「2コマ」の場合は1/2、「3コマ」の場合は1/3になります。

  • 比較明合成]:撮影した各画像を比較し、最も明るい部分を選択して合成します。

  • 比較暗合成]:撮影した各画像を比較し、最も暗い部分を選択して合成します。

合成前の画像を保存(RAW)

  • する]:合成した画像のほかに、多重露出で撮影した全てのコマをRAW画像として保存します。

  • しない]:合成した画像のみ保存します。

確認撮影

  • する]:ライブビューで多重露出撮影中、撮影したコマを合成して画像モニターに半透過で表示します。次のコマを撮影するときに構図が決めやすくなります。

  • しない]:多重露出撮影中、撮影したコマは表示されません。

1コマ目の画像(RAW)の指定

メモリーカード内のRAW画像から1コマ目に使用する画像を選ぶことができます。

多重露出の撮影方法

  1. 静止画撮影メニューの[多重露出]を選んでマルチセレクターの2を押す
  2. 多重露出モード]を設定する
    • 多重露出モード]を選んで、2を押します。

    • 13を押して多重露出モードを設定し、Jボタンを押します。

    • する(連続)]または[する(1回)]を選ぶと、多重露出の撮影待機状態になり、上面表示パネルにnマークが点灯します。

  3. コマ数](露光回数)を設定する
    • コマ数]を選んで、2を押します。

    • 13を押して露光回数を設定し、Jボタンを押します。

  4. 合成モード]を設定する
    • 合成モード]を選んで、2を押します。

    • 13を押して項目を選び、Jボタンを押します。

  5. 合成前の画像を保存(RAW)]を設定する
    • 合成前の画像を保存(RAW)]を選んで、2を押します。

    • 13を押して項目を選び、Jボタンを押します。

    • する]を選ぶと、合成した画像のほかに多重露出で撮影した全てのコマをRAW画像として保存します。[しない]を選ぶと、合成後の画像のみを保存します。

  6. 確認撮影]を設定する
    • 確認撮影]を選んで、2を押します。

    • 13を押して項目を選び、Jボタンを押します。

    • する]を選ぶと、ライブビューで多重露出撮影中、撮影したコマを合成して画像モニターに半透過で表示します。

  7. 1コマ目の画像(RAW)の指定]を設定する
    • 撮影済みの画像に重ねて写し込みたい場合は、[1コマ目の画像(RAW)の指定]を選んで2を押し、メモリーカード内のRAW画像から1コマ目に使用する画像を選びます。

    • マルチセレクターで黄色い枠を移動して画像を選びます。

    • 画像は、Xボタンを押している間、拡大して確認できます。

    • WM)ボタンを押すと、[スロット/フォルダー指定]画面が表示され、スロットやフォルダーを切り換えられます。

    • 画像を選択したら、Jボタンを押します。

    • 高感度(Hi 0.3~Hi 5)で撮影されたRAW画像を1コマ目に指定した場合、カスタムメニューd6[電子先幕シャッター]を[有効]にしていても、多重露出撮影中は電子先幕シャッターが無効になります。

  8. 撮影を開始する
    • 撮影を始めると、nマークが点滅します。

    • 設定したコマ数を撮影してください。手順7の[1コマ目の画像(RAW)の指定]でメモリーカード内のRAW画像から1コマ目に使用する画像を選んだ場合は、2コマ目以降を撮影します。

    • 多重露出撮影中にシャッターボタンを半押しすると、残りの撮影コマ数を表示します。

    • 設定したコマ数を撮影し終わると、画像が合成されて保存されます。設定している画質モードにかかわらず、合成画像はJPEGになります。

    • 多重露出モードが[する(1回)]の場合、手順3で設定したコマ数を撮影後に合成画像が保存されると、多重露出撮影が解除され、nマークが消灯します。

    • する(連続)]の場合、[多重露出モード]で[しない]を選んで多重露出モードを解除するまで、多重露出撮影できます。

多重露出撮影時のご注意
  • 音声メモは、多重露出撮影終了後に録音できます。多重露出撮影中には音声メモは録音できません。

  • 多重露出撮影中に、画像の再生やメニュー画面の表示で画像モニターを点灯した場合、画像モニターが消灯してから操作のないまま30秒程度経過すると、画像が記録されて多重露出が解除されます。撮影間隔が長くなる場合は、カスタムメニューc2[半押しタイマー]を長めに設定すると、多重露出が解除されるまでの時間が延長されます。

  • 多重露出で撮影する場合、ノイズ(ざらつき、むら、すじ)が発生しやすくなります。

  • レリーズモードを

    Cl
    Ch
    、またはQの静音連続撮影に設定しているときにシャッターボタンを全押しし続けると、多重露出で設定された撮影コマ数まで撮影し、合成画像を保存します。多重露出モードが[する(1回)]のときは、撮影が終了して合成画像が保存されると多重露出撮影を解除します。[する(連続)]のときは、撮影後に再度全押しすると、繰り返し多重露出撮影を行えます。

  • セルフタイマー撮影時( セルフタイマーを使って撮影する(E)には、シャッターボタンを全押しすると、カスタムメニューc3[セルフタイマー]の[連続撮影間隔]で設定した撮影間隔で撮影します。ただし、c3の[撮影コマ数]で設定した撮影コマ数にかかわらず、多重露出で設定した撮影コマ数の撮影が終了した時点で画像が記録されます。

  • 多重露出の撮影設定および撮影データは1コマ目の内容になります。

  • 多重露出撮影中は、メモリーカードを交換しないでください。

  • 多重露出撮影中はメモリーカードの初期化はできません。また、一部のメニュー項目がグレーで表示されて選択できません。

BKTボタンとコマンドダイヤルで多重露出モードとコマ数を設定する

カスタムメニューf3[カスタムボタンの機能]の[BKTボタン]を[多重露出]に設定すると、BKTボタンとコマンドダイヤルの操作で手順2の[多重露出モード]と手順3の[コマ数]を設定できます。

  • BKTボタンを押しながら、メインコマンドダイヤルを回してa([しない])、1([する(1回)])、b([する(連続)])から選んでください。

  • BKTボタンを押しながらサブコマンドダイヤルを回すと、上面表示パネルのコマ数が切り替わります。

多重露出の制限について

次の場合など、多重露出とは同時に使用できない機能や設定があります。

  • 動画撮影

  • オートブラケティング撮影

  • HDR(ハイダイナミックレンジ)

  • インターバルタイマー撮影

  • タイムラプス動画撮影

  • フォーカスシフト撮影

iボタンを使う

多重露出撮影中にKボタンを押すと、撮影した画像を確認できます。多重露出撮影で最後に撮影したコマにはnが表示され、このときにiボタンを押すと多重露出撮影時のiメニューが表示されます。

  • 項目を選んでJボタンを押すと、選んだ項目が実行されます。

  • iボタンを押したときの設定は、タッチ操作でも行えます。

項目

内容

合成画像の確認

それまでに撮影したコマで合成画像を作成してプレビューします。

撮影画像の撮り直し

最後に撮影したコマを撮影し直せます。

保存して終了

それまでに撮影したコマで合成画像を作成し、保存して多重露出撮影を終了します。

保存せずに終了

合成画像を保存しないで多重露出撮影を終了します。

  • 合成前の画像を保存(RAW)]が[する]の場合は、撮影した画像を合成せずに1コマずつ保存します。

多重露出撮影を終了するには

設定したコマ数分を撮影する前に多重露出撮影を終了するには、多重露出モードを[しない]に設定します。多重露出撮影を中断すると、その時点までの露光結果だけを重ね合わせた画像が記録されます([合成モード]を[加算平均]に設定していた場合は、露光回数に合わせてゲイン補正が行われます)。

このほか、次の場合も、多重露出は終了されます。

  • ツーボタンリセットを行ったとき

  • カメラの電源をOFFにしたとき

  • バッテリーの残量がなくなったとき

  • 多重露出撮影中にKボタンを押してからiボタンを押し、[保存して終了]または[保存せずに終了]を選んだとき