撮影モード/露出補正
- 撮影モードを設定する
- b(オート)
- P(プログラムオート)
- S(シャッター優先オート)
- A(絞り優先オート)
- M(マニュアル)
- U1、U2、U3、U4(ユーザーセッティングモード)
- 長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ)
- 露出を固定して撮影する(AEロック)
- 露出補正して画像の明るさを調整する
撮影モードを設定する
- Fn2(MODE)ボタンを押す
- 撮影モードの設定画面が表示されます。
- マルチセレクターを左/右に倒して撮影モードを選び、マルチセレクターの中央を押して設定する
モード | 内容 | |
---|---|---|
b(AUTO) | オート(動画を撮影する(bオート)、静止画を撮影する(bオート)) | カメラまかせの簡単な操作で撮影を楽しむことができます。シャッタースピードや絞り値に加えて、ホワイトバランスなどもカメラが自動制御します。 |
P | プログラムオート(P(プログラムオート)) | シャッターチャンスを逃したくないスナップ撮影などに使います。シャッタースピードと絞り値の両方をカメラが自動制御します。 |
S | シャッター優先オート(S(シャッター優先オート)) | 被写体の動きを強調して撮影したいときなどに使います。シャッタースピードを自分で設定し、絞り値はカメラが自動制御します。 |
A | 絞り優先オート(A(絞り優先オート)) | 背景のぼかし方を調節して撮影したいときなどに使います。絞り値を自分で設定し、シャッタースピードはカメラが自動制御します。 |
M | マニュアル(M(マニュアル)) | シャッタースピードと絞り値の両方を自分で設定します。長時間露出(バルブ、タイム)撮影も、このモードで行います。 |
U1 U2 U3 U4 | ユーザーセッティングモード(U1、U2、U3、U4(ユーザーセッティングモード)) | よく使う機能を登録できます。撮影モードでU1~U4を選択すると、登録した内容で撮影できます。
|
- U1~U4を選んでいるときにマルチセレクターを下に倒すと、ユーザーセッティングモードの撮影モードをP、A、S、またはMに変更できます。現在の設定に応じて静止画モードまたは動画モードの撮影モードのみが変更されます。ユーザーセッティングモードの撮影モードがbの場合、ユーザーセッティングモードの撮影モードは変更できません。
- iメニューで[撮影モードの設定]を選んだり、撮影画面の撮影モードをタッチしたりすることでも、撮影モードの変更ができます。
メニューで設定する場合
- 静止画撮影メニューまたは動画撮影メニュー[撮影モードの設定]を選び、マルチセレクターを右に倒す
- 撮影モードを選び、マルチセレクターの中央を押して決定する
- [ユーザーセッティングモード 1]~[ユーザーセッティングモード 4]の右に、ユーザーセッティングモードに登録されている撮影モードが表示されます。
- [ユーザーセッティングモード 1]~[ユーザーセッティングモード 4]を選んだ場合、マルチセレクターを右に倒すと、ユーザーセッティングモードの撮影モードを[プログラムオート]、[シャッター優先オート]、[絞り優先オート]、または[マニュアル]に変更できます。設定した撮影モードは、静止画撮影メニューの場合は静止画モードのみに、動画撮影メニューの場合は動画モードのみに反映されます。ユーザーセッティングモードの撮影モードが[AUTO]の場合、ユーザーセッティングモードの撮影モードは変更できません。
b(オート)
シャッタースピードや絞り値に加えて、ホワイトバランスなどもカメラが自動制御します。メニューで設定できる機能のうち、カメラが自動で制御する機能はグレーで表示されて選べません。グレーで表示されたメニュー機能の設定を変更したい場合は、撮影モードをP、S、A、Mのいずれかに変更してください。
P(プログラムオート)
被写体の明るさに応じて露出が適正になるように、カメラがシャッタースピードと絞り値を自動的に決定します。
- b(オート)で自動制御されるホワイトバランスなどを自分で設定することができます。
プログラムシフトについて
撮影モードPのときにメインコマンドダイヤルを回すと、適正露出のまま、シャッタースピードと絞り値の組み合わせを変えられる「プログラムシフト」が行えます。
- プログラムシフト中は、プログラムシフトマーク(U)が表示されます。
- プログラムシフトを解除するには、プログラムシフトマークが消えるまでメインコマンドダイヤルを回してください。電源をOFFにしたときや、他の撮影モードに切り換えたときも、プログラムシフトは解除されます。
S(シャッター優先オート)
シャッタースピードを自分で決めると、露出が適正になるようにカメラが自動的に絞り値を決定します。動きの速い被写体の撮影や、遅いシャッタースピードで被写体の動きを強調する撮影に適しています。
- シャッタースピードはメインコマンドダイヤルを回して設定します。
- シャッタースピードは1/16000~30秒に設定できます。
- 設定したシャッタースピードはロックできます(f5:操作のロック、g4:操作のロック)。
A(絞り優先オート)
絞り値を自分で決めると、露出が適正になるようにカメラが自動的にシャッタースピードを決定します。背景をぼかしてメインとなる被写体を浮き立たせたい場合や、近くから遠くまでピントの合った写真を撮影したい場合に適しています。
M(マニュアル)
シャッタースピードと絞り値の両方を自分で決定します。花火や星空などを長時間露出(バルブ撮影、タイム撮影、長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ))で撮影する場合にも使用します。
- 露出インジケーターを確認しながら、コマンドダイヤルを回してシャッタースピードと絞り値を設定します。
- メインコマンドダイヤルを回すと、シャッタースピード表示が変化します。シャッタースピードは1/16000~30秒、Bulb(バルブ)、Time(タイム)に設定できます。
- サブコマンドダイヤルを回すと絞り値が変化します。
- 設定できる最小絞り値、開放絞り値はレンズの種類によって異なります。
- 設定したシャッタースピードと絞り値はロックできます(f5:操作のロック、g4:操作のロック)。
露出インジケーターについて
自分で設定した露出値と、カメラが測光した露出値との差が、画像モニターに表示されます。この「露出インジケーター」の見方は次の通りです(表示内容はカスタムメニューb2[露出設定ステップ幅]の設定によって変化します)。
[露出設定ステップ幅]が[設定1/3段(補正1/3段)]のとき | ||
---|---|---|
適正露出の場合 | 1/3段アンダーの場合 | 3 1/3段以上オーバーの場合 |
露出の制御ができないときの警告について
光量がカメラの測光範囲を超えて露出の制御ができない場合は、露出インジケーターが点滅して警告します。
シャッタースピードの延長について
カスタムメニューd6[Mモード時のシャッタースピード延長]を[ON]に設定すると、撮影モードM時にシャッタースピードを最長900秒(15分)まで設定できます。
長秒時のシャッタースピードについて
シャッタースピードを1秒より低速に設定した場合、カメラに表示される露光時間と実際の露光時間が異なる場合があります。たとえばシャッタースピードを15秒に設定した場合は実際には16秒、30秒に設定した場合は実際には32秒でシャッターがきれます。60秒または60秒よりも遅く設定した場合は、設定したシャッタースピードの表示と同じ秒時でシャッターがきれます。
撮影モードM時の感度自動制御機能について
感度自動制御機能(感度自動制御機能を使う)を使用すると、設定したシャッタースピードと絞り値で適正露出になるようにISO感度が自動的に制御されます。
U1、U2、U3、U4(ユーザーセッティングモード)
よく使う機能を、あらかじめU1~U4に登録すると、撮影モードでU1~U4を選択するだけで、登録したユーザーセッティングの内容で撮影できます。
- ユーザーセッティングモードでは、静止画モードと動画モードで個別に撮影モードを変更できます。ただし、ユーザーセッティングモードの撮影モードがbの場合は、ユーザーセッティングモードの撮影モードを変更できません。
- シネマティック動画や星景など映像表現や撮影シーンに合わせて設定され、撮影の基本となるユーザーセッティングのプリセットを使用できます。初期設定では、U1~U4のそれぞれにプリセットが登録されています。
ユーザーセッティングの初期設定(プリセット)
ユーザーセッティング | 撮影モード/ユーザーセッティングの名前 | 主な内容 | |
---|---|---|---|
静止画 | 動画 | ||
U1 | P U | M Cinematic video | 映画のような動画の撮影に適した設定です。
|
U2 | P U | M Slow-motion video | 再生速度が4分の1になるスローモーション動画の撮影に適した設定です。
|
U3 | A Portrait | P U | 被写体にしっかりピントが合い、背景がしっかりぼけたポートレートの静止画撮影に適した設定です。
|
U4 | M Starscape photo | P U | 星景の静止画撮影に適した設定です。
|
ユーザーセッティングの初期設定(プリセット)について
初期設定では、映像表現や撮影シーンに合わせた設定が登録されていますが、撮影条件に応じて自動で設定が変更されません。意図した静止画や動画が撮影できない場合は、初期設定から設定を変更して撮影してください。初期設定から変更した設定内容で繰り返し撮影する場合は、セットアップメニュー[ユーザーセッティングの管理]で変更した設定内容を登録することをおすすめします。
ユーザーセッティングを登録する、ユーザーセッティングの管理に関する設定をする
セットアップメニュー[ユーザーセッティングの管理]で、現在の撮影機能をU1~U4に登録できます。U1~U4には、プリセットを登録することもできます。[ユーザーセッティングの管理]では、ユーザーセッティングを登録時の設定に戻したり、初期設定にリセットしたりといった、ユーザーセッティングの管理に関する設定をすることもできます。
セットアップメニュー[ユーザーセッティングの管理]では、[U1]~[U4]に対して、次の設定ができます。
項目 | 内容 |
---|---|
[登録] | ユーザーセッティングを登録します。
|
[変更内容の保持] | [ON]に設定すると、撮影モードをU1~U4から別の撮影モードに変更したり、電源をOFFにしても、ユーザーセッティングの設定内容を保持します。 |
[登録時の設定に戻す] | ユーザーセッティングを登録したときの設定内容に戻します。
|
[名前編集] | C(静止画モード)と1(動画モード)のそれぞれのユーザーセッティングの名前を変更します。
|
[リセット] | ユーザーセッティングに登録された設定内容を初期設定に戻します。
|
現在の撮影機能をユーザーセッティングに登録する手順は次の通りです。
- 登録したい撮影機能を設定する
次の撮影機能を登録できます。- 静止画撮影メニュー項目
- 動画撮影メニュー項目
- カスタムメニュー項目
- 撮影モード、シャッタースピード(撮影モードS、M)、絞り値(撮影モードA、M)、プログラムシフト(撮影モードP)、露出補正など
- セットアップメニュー[ユーザーセッティングの管理]を選んでマルチセレクターを右に倒す
- 設定を登録したいユーザーセッティングモードを選ぶ
[U1]、[U2]、[U3]または[U4]のいずれかを選んで、マルチセレクターを右に倒します。 - [登録]を選んでマルチセレクターを右に倒す
- [現在の設定]を選んでマルチセレクターの中央を押す
[はい]を選んでマルチセレクターの中央を押すと、選んだユーザーセッティングモードに現在の設定内容が登録されます。
U1、U2、U3、U4に登録できない項目
次のメニュー項目はU1、U2、U3、U4に登録できません。
- 静止画撮影メニュー
- [記録フォルダー設定]
- [カスタムピクチャーコントロール]
- [多重露出]
- [インターバルタイマー撮影]
- [タイムラプス動画]
- [フォーカスシフト撮影]
- [ピクセルシフト撮影]
- 動画撮影メニュー
- [記録フォルダー設定]
- [カスタムピクチャーコントロール]
長時間露出で撮影する(撮影モードMのみ)
長時間露出撮影には、バルブ撮影とタイム撮影の2種類があります。花火や夜景、星空の撮影や、自動車のライトの流れを表現したいときなどに使います。
撮影方法 | 内容 |
---|---|
バルブ撮影 | シャッター/RECボタンを押し続けている間シャッターが開いたままになり、シャッター/RECボタンを放すとシャッターが閉じます。 |
タイム撮影 | シャッター/RECボタンを全押しするとシャッターが開いたままになり、もう一度押すとシャッターが閉じます。 |
- 三脚などを使ってカメラを固定する
- Fn2(MODE)ボタンを押して、撮影モードの設定画面を表示する
- Mを選んでからマルチセレクターの中央を押して、撮影モードをMにする
- メインコマンドダイヤルを回して、シャッタースピードをBulb(バルブ)またはTime(タイム)にするシャッタースピードをBulbまたはTimeに設定すると、露出インジケーターは表示されません。
バルブ撮影 タイム撮影 - ピントを合わせて、長時間露出撮影を開始する
- バルブ撮影:シャッター/RECボタンを全押しして、長時間露出撮影を開始します。シャッター/RECボタンは押し続けてください。
- タイム撮影:シャッター/RECボタンを全押しすると、シャッターが開き、長時間露出撮影を開始します。
- 長時間露出撮影を終了する
- バルブ撮影:シャッター/RECボタンを放すと、長時間露出撮影は終了します。
- タイム撮影:もう一度シャッター/RECボタンを全押しします。
長時間露出について
- 露光時間が長くなると、画像にノイズ(ざらつき、むら、輝点)が発生することがあります。
- 撮影中のバッテリー切れを防ぐため、次のいずれかをお使いください。
- 充分に充電したバッテリー
- 別売のACアダプターEH-8Pと付属のUSBケーブル(両端がType-C)
- 外部充電池(モバイルバッテリー)
- 手ブレを抑えるために三脚や別売のリモートコードなどの使用をおすすめします。
- 別売のリモコンML-L7をお使いの場合、シャッタースピードをBulbに設定していてもタイム撮影になります。
露出を固定して撮影する(AEロック)
AEロックは、カメラが自動で明るさを調整する設定の場合でも、露出を固定できる機能です。
AEロックを行うには、[AE-L]や[AE-L/AF-L]などのAEロックの機能を割り当てたボタンを押します。ボタンへの機能の割り当ては、カスタムメニューf2[カスタムボタンの機能(撮影)]またはg2[カスタムボタンの機能]で行います(f2:カスタムボタンの機能(撮影)、g2:カスタムボタンの機能)。
[AE-L/AF-L]を割り当てた場合を例に説明します。割り当てた機能により、操作方法やカメラの動作は異なります。
- [AE-L/AF-L]を割り当てたボタンを押している間は露出が固定(ロック)され、構図や被写体の明るさが変わっても露出は変わりません。
- 撮影画面にAE‑Lマークが点灯します。
- オートフォーカス撮影時は、シャッター/RECボタンを半押ししてピント合わせをしてから[AE-L/AF-L]を割り当てたボタンを押してください。AE ロックとフォーカスロックが同時に行われます。
- [AE-L/AF-L]を割り当てたボタンを押したまま、構図を決めて撮影してください。
シャッター/RECボタンの半押しで露出を固定するには
カスタムメニューc1[シャッターボタンAEロック]を[する(半押し)]に設定すると、シャッター/RECボタンの半押しで露出を固定できます。
測光エリアについて
- [スポット測光]に設定した場合、選択中のフォーカスポイントの露出が記憶されます。
- [中央部重点測光]に設定した場合は、撮影画面中央部(Φ12 mmの円内)を重点的に測光した露出が記憶されます。
AEロック中のカメラ操作について
[AE-L/AF-L]を割り当てたボタンを押している間も以下の操作ができます。
撮影モード | 操作 |
---|---|
P | プログラムシフト(P(プログラムオート)) |
S | シャッタースピードの変更 |
A | 絞り値の変更 |
- 撮影画面には、変更後のシャッタースピード、絞り値が表示されます。
露出補正して画像の明るさを調整する
露出補正とは、カメラが制御する適正露出値を意図的に変更することです。画像全体を明るくしたり、暗くしたいときなどに使います。
露出補正の設定方法
- Fn1(E)ボタンを押す
- 露出補正が設定可能な状態になります。
- このカメラは、カスタムメニューf7[ボタンのホールド設定]の初期設定が[ON]に設定されています。f7[ボタンのホールド設定]を[OFF]に設定すると、押しながらコマンドダイヤルを設定する操作に切り替わります。
- コマンドダイヤルを回して、補正量を設定する
- 静止画撮影時は補正量とインジケーターが、動画撮影時は補正量が表示されます。
- もう一度Fn1(E)ボタンを押して、決定する
- 露出補正は、±5段の範囲で設定できます。動画の場合は±3段の範囲で設定できます。
- 補正ステップは、初期設定では1/3段ステップです。ステップ幅は、カスタムメニューb2[露出設定ステップ幅]で変更できます。
- 被写体を明るくしたいときは+側に、暗くしたいときはー側に補正してください。
- 露出補正を解除するには、補正量を0.0にしてください。カメラの電源をOFFにしても、補正量の設定は解除されません。
- 撮影モードbで露出補正を行った場合、撮影モードを切り換えるか、カメラの電源をOFFにすると露出補正値の設定は解除されます。
- 撮影画面の露出補正をタッチすることでも、露出補正を設定することができます。
撮影モードMでの露出補正について
- 撮影モードがMのときは、露出のインジケーター表示が変わるだけで、設定したシャッタースピード、絞り値、およびISO感度は変わりません。画像全体の明るさも変わりません。
- 感度自動制御機能(感度自動制御機能を使う)を使用している場合、補正量に応じてISO感度が自動的に制御され、画像全体の明るさが変わります。
フラッシュ使用時の露出補正
別売スピードライト使用時に露出補正を行った場合は、背景露出とフラッシュ(スピードライト)の発光量の両方に補正が行われ、画像全体の明るさが変わります。背景の明るさだけを補正することもできます(カスタムメニューe2[フラッシュ使用時の露出補正])。