RAW動画について

動画撮影メニュー[動画記録ファイル形式]を[N-RAW 12-bit(NEV)]、[R3D NE 12-bit(R3D)]または[ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)]に設定して撮影した動画をRAW動画といいます。

RAW動画撮影時のご注意

  • N-RAW 12-bit(NEV)]、[R3D NE 12-bit(R3D)]または[ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)]に設定している場合、次の制限があります。
    • 動画撮影メニュー[アクティブD-ライティング]、[高感度ノイズ低減]、[回折補正]、[ブリージング補正]、[美肌効果]、[電子手ブレ補正]、[内蔵マイクの設定]は設定できません。
    • 動画撮影メニュー[動画フリッカー低減]>[デジタルフリッカー低減]は無効になります。
    • カメラでの動画編集は行えません。
    • HDMI対応機器と接続時の出力解像度は、セットアップメニュー[HDMI]>[出力解像度]の設定にかかわらず最大1920×1080になります。
  • N-RAW 12-bit(NEV)]または[ProRes RAW HQ 12-bit(MOV)]に設定している場合、次の制限があります。
    • 高感度(Hi 0.3 ~ Hi 2.0)は設定できません。
    • 階調モードで[N-Log]を選んでいる場合のご注意については、「N-Log動画の撮影について」(N-Log動画の撮影について)をご覧ください。

RAW動画の再生/編集について

RAW動画を再生/編集するには、RAW動画に対応したパソコン用ソフトウェアが必要です。

R3D形式の動画について

動画撮影メニュー[動画記録ファイル形式]を[R3D NE 12-bit(R3D)]に設定すると、RED Digital Cinema, Inc.(RED社)のIPP2で撮影したデータと同様の工程でRAW現像および編集を行うことを前提としたRAW動画を記録できます。

  • 撮影モードがbの場合、[動画記録ファイル形式]を[R3D NE 12-bit(R3D)]に設定できません。
  • 低感度と高感度とで切り換えることができる[ベースISO感度]を設定できます。感度自動制御機能は使用できません。
  • 階調モードは、[Log3G10]に固定されます。Log3G10は、ハイライト側の白飛びやシャドー側の黒つぶれを抑える広いダイナミックレンジのLog曲線を使用した階調モードです。RED社のIPP2で撮影したデータと同様のポストプロダクション工程でカラーグレーディングを行うことを前提としています。RED社のカラーサイエンスを取り入れた撮影ができます。
  • RAW現像、編集およびカラーグレーディングを行うには、R3D形式に対応する他社製の動画編集用ソフトウェアが必要です。
  • カラーグレーディングを撮影時にカメラの撮影画面で確認するにはLog3G10用のLUTを使用します。[3D LUT]を設定すると、Log3G10用のLUTや動画編集用ソフトウェアで作成したLUTを撮影画面に適用できます。

R3D形式の動画撮影時のご注意

  • R3D NE 12-bit(R3D)]に設定している場合、RAW動画で共通する制限に加えて、次の制限があります。
    • 撮影モードはMに固定されます。
    • 露出補正は行えません。
    • ホワイトバランスの[静止画の設定と同じ]、[オート]および[自然光オート]は設定できません。
    • 動画撮影メニュー[人物印象調整]は設定できません。
  • ベースISO感度を使用するため、ISO感度は他の動画記録ファイル形式と異なる設定になります。
  • オートフォーカス時にピントが合いにくくなりますが故障ではありません。

ベースISO感度

低感度と高感度とでベースISO感度を切り換えることができます。
ベースISO感度は、動画撮影メニュー[ISO感度設定]で設定します。

項目内容
ベースISO感度シーンに合わせてベースISO感度を設定します。R3D形式のRAW動画には、設定したベースISO感度で記録されます。
  • 低感度]:ベースISO感度をISO 800に設定します。明るいシーンで設定します。
  • 高感度]:ベースISO感度をISO 6400に設定します。暗いシーンで設定します。
  • R3D形式のRAW動画のISO感度は、撮影後のポストプロダクション工程で調整できます。
ISO感度撮影画面の明るさ、および同時に記録されるMP4形式の動画(プロキシー動画)のISO感度を設定します。ポストプロダクション工程でISO感度を調整した場合の露出を簡易的に確認できます。
  • 撮影したR3D形式のRAW動画にはメタデータとして記録されます。
  • 設定できるISO感度は[ベースISO感度]の設定により異なります。
    • 低感度]:ISO 200~ ISO 3200
    • 高感度]:ISO 1600~ ISO 25600

ベースISO感度について

  • R3D形式のRAW動画を撮影する場合、ISO感度は[ベースISO感度]で設定してください。[ISO感度]の設定内容はRAW動画にはメタデータとして記録されます。RAW動画は[ベースISO感度]の設定内容によって、ISO 800(低感度)またはISO 6400(高感度)で記録されます。
  • 動画撮影メニュー[動画記録ファイル形式]が[R3D NE 12-bit(R3D)]の場合は、動画撮影メニュー[ISO感度設定]の次の項目は設定できません。
    • 制御上限感度
    • Mモード時の感度自動制御
    • Mモード時のISO感度

3D LUT

動画の記録ファイル形式を[R3D NE 12-bit(R3D)]にしている場合に、カスタムメニューg15[3D LUT]を設定すると、Log3G10用のLUTや動画編集用ソフトウェアで作成したLUTを撮影画面に適用できます。

  • 撮影画面にwが表示されます。
  • 実際に記録している動画には影響ありません。
  • R3D形式の動画と同時に記録されたMP4形式の動画(プロキシー動画)をカメラで再生する場合にもLUTを適用できます。
項目内容
3D LUTON]にすると、Log3G10用LUTが撮影画面に適用されます。
LUTの選択適用するLog3G10用LUTを選択します。
  • 初期設定では、Rec.709でのモニタリング向けLUT[REC.709]が設定されています。
CUBEファイルの読み込みメモリーカードのLUT(CUBEファイル)をカメラに読み込みます。読み込みたいCUBEファイルを選んでマルチセレクターの中央を押すと、保存先の設定画面が表示されます。保存先を選んでマルチセレクターの中央を押すと、CUBEファイルがカメラに読み込まれます。
  • カメラに読み込むCUBEファイルは、メモリーカードの「NIKON」フォルダー>「LUTS」フォルダーに保存してください。
  • CUBEファイルの選択画面に表示されるのは、主スロットおよび副スロットそれぞれのメモリーカードに保存された最大10個のCUBEファイルです。10個よりも多くのCUBEファイルがメモリーカードに保存されている場合は、更新日時が新しい10個がCUBEファイルの選択画面に表示されます。
  • 初期設定で保存されている[REC.709]は保存先に選べません。
  • 次のCUBEファイルが読み込めます。
    • 拡張子:CUBE
    • ファイル名:90文字まで(30文字を超えるファイル名は省略してカメラに表示されます)
    • 保存するカード:exFATでフォーマットされたメモリーカード(このカメラで初期化した64GBを超えるカードに保存してください)
    • 17点、33点、または65点の3D LUT

フレームレートを119.88pまたは100pに設定している場合のご注意

動画撮影メニュー[画像サイズ/フレームレート]を[[DX] 3984×2240 119.88p]または[[DX] 3984×2240 100p]に設定している場合は、[3D LUT]は無効になります。この画像サイズ/フレームレートの設定で撮影したR3D形式の動画と同時に記録されたMP4形式の動画(プロキシー動画)をカメラで再生する場合も[3D LUT]は無効になります。ただし、この画像サイズ/フレームレートの設定をしている場合は、動画の階調モードをLog3G10にしていても、カスタムメニューg14[ビューアシスト]を使用してカメラの撮影画面を簡易的に階調補正して表示できます。